5 祖父の後継者

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 鼻で体を起こされ、ふかふかの毛の中に顔が埋まる。  ――なんという至福。    天気がいいのもあって、一階の日当たりのいい座敷に一人と一匹は寝転がった。  縁側の大きな窓から、青い空と緑の竹の葉が見える。  背の高い伸びやかな竹が白い雲をなぞる。   「秋日和だね」  眠気が襲い、目が半分閉じて答えられず、ふかふかの毛を枕にして、私は深く眠った。  暖かなぬくもりを感じながら。
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