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両親が前にいて、部屋の中が見えない。
私の前にいた両親が笑いながら座敷へ入っていく。
お見合い相手の男性の姿が見えるようになり、私は呆然とした。
「どうして……?」
そこには、見覚えのある人が座っていた。
春まで一緒に働いていた――
「立栞さんが吉浪を辞めて以来ですね」
料亭『吉浪』三代目の息子で、長男の永祥さん。
私を料理人としてスカウトし、最後は接客係になれと言った人だった――
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