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料理をすべて食べ終わり、吉浪と蓮華楼の格の違いがわかった。
「私が学ぶべきだったのは、吉浪ではなかったということがわかりました。そして、今の私には料理の師がいます」
「は……?」
「山路にいる料理人が私の師です」
室内がしんっと静まり返った。
山路の祖父が死に、店を閉めているのは全員が知っている。
つまり、祖父の跡を継いだ誰かが家にいるということだ。
私に男の影がないと思っていた両親は凍りつき、永祥さんから笑みが消えた。
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