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魂の歌声
「夢じゃな〜い、あれもこれもー♪ その手でドアを開けましょう♪ 祝福がほしいならー 悲しみを知り 独りで泣きましょう♪ そして 輝〜く ウルトラソウルっ ヘイ♪」
人々が寝静まった夜、周囲に場違いな歌声が響き渡っていた。素人にしては声量が大きく、歌い方がとても上手かった。
「松木さん、歌の練習ですか。まさに魂に響く歌声ですね!」
「おや、杉本さんじゃないですか。今日は孫が会いに来てくれたんです。それでいつもよりも気分が乗っているんですよ」
「孫ですか。それは良かったですね。私のところは誰も来やしません」
「ははは。時代の変化は仕方がない。昔と違って付き合いが希薄になっていますから」
「まあ、そうですね。ところで、明日のカラオケ大会はその『ultra soul』で挑戦ですか?」
「はい。歌詞が好きなんで。『LOVE PHANTOM』とどちらにするか悩んだんですけどね。ぜひ優勝したいものです」
「私も『ultra soul』好きですよ。応援しています」
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