理解されない悲しい関係

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『咲結、どうした? 何があったんだ?』 「……っ、ごめん、……っひっく……私……っ」 『咲結、今学校だろ? 早退するか? するなら俺、迎え行くし』 「……っう、うん……」  正直、今すぐにでも学校から逃げ出したかった咲結は朔太郎が迎えに来てくれるという言葉を聞いてすぐに早退を選び、担任には体調が悪いと言って帰らせてもらう事にした。  咲結が校門のところで待っていると、程なくして朔太郎が迎えに来た。 「お待たせ。乗れよ」 「……うん」  いつもと変わらない様子の朔太郎。  言われた通り車に乗り込んだ咲結がシートベルトを締めたタイミングで車を走らせた。  電話口では泣いていたけれど今は落ち着いている事もあってか、朔太郎は特にさっきの事については何も触れはせずに「今日も良い天気だな」とか「昼飯食ったか?」なんて、当たり障りの無い会話を投げ掛けていた。  朔太郎が傍に居るからか、咲結の心も少しずつ落ち着きを取り戻していき時折笑顔を見せると、 「ようやく笑ったな。やっぱお前は笑ってる方がいいよ」  なんて、笑顔の朔太郎が口にする。  こんなに優しい朔太郎。  見た目少し柄が悪そうには見えるけど、子供にも優しいし、困ってる人には手を差し伸べられる優しい人。  それなのに、極道の世界に身を置いているというだけで周りから好奇の目で見られるなんて、そんなのおかしい。  確かに、普通の人とは住む世界が違うかもしれないけど、それだけで付き合い方を考えなければいけないなんて納得がいかない。  大切な親友の優茉に分かってもらえなかった事はショックだけど、例え優茉ともう仲良く出来なくなったとしても、学校で一人になったとしても、やっぱり朔太郎と離れる選択なんてしたくないし出来ない。  朔太郎と会った事でその思いがより強くなった咲結が運転中の彼の肩に寄り掛かると、優茉に言われた事、さっき泣いてしまった事をポツリポツリと話し始めた。
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