最終話 新たな人生

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最終話 新たな人生

 やっと愛しい人と再会出来た私は、疑問に思っていたことをガブリエルに聞いてみることにした。 「あのね、聞きたいことがあるんだけど」 「うん? なんだ?」 「この世界って……異世界、なの?」  私がそう言うと、ガブリエルは苦笑してうなづいた。 「そうらしいな。ここは俺の理想で作られた世界だと思う」 「理想の世界?」 「ああ。お前も死後の世界で『転生希望』の列に並んだだろ? 俺はあそこの担当者に転生後の条件を出した」 「え?」  (条件なんて出せるの!?) 「俺はいくつかの条件を提示した。長生きをしたいこと、丈夫な身体を持つ強い男になること、財力があること、そしてお前も同じ世界に転生させること」  (!!!) 「それを全て叶えるためには異世界を作るしかなかったんじゃないか? おかげでこんなファンタジーな世界に来れて毎日が楽しいよ……といっても少し前まではこれが普通だと思っていたわけだが」 「だから俺様系王子様になっ……痛っ!」  私がガブリエルの話に納得しながらそう言うと、ガブリエルに頬をつねられた。 「前世では優しいイケメンだったからな。こういう男もいいだろ? これからもっといじめてやるから覚悟しとけ」  ガブリエルは、私に顔を近づけながらそう言って笑った。  (もう……。こんな笑顔ずるいよ)  トントン  私が顔を赤らめていると、誰かがガブリエルの部屋をノックする音が聞こえた。 「兄上の具合どう? オリアーヌ?」  ドアの外から聞こえた声は、ラファエルだった。 「ラファエル様!」  私がドアを開けると、心配そうなラファエルが立っていた。 そんな様子を察して、ガブリエルがラファエルに声を掛けた。 「俺はもう大丈夫だ。心配掛けたな」 「兄上! 目が覚めたんだね! 良かった……」  ラファエルはほっとしたのか、その場にあった椅子にもたれるように座った。  しばらくして、私とガブリエルはラファエルに今までの経緯をありのまま説明した。 ラファエルは、初めはまだ信じられないという顔をしていたが私とガブリエルが同じことを言っているのを聞いて信じてくれたようだった。 「そっか。兄上、思い出しちゃったんだね」 「うん? 何か不満か?」 「ううん。でも、今度オリアーヌを待たせることがあれば僕がオリアーヌをもらっちゃうかもしれないから気をつけてね」  ラファエルはそう言いながら、私を見てウインクをした。  (!!!) 「なっ……! こら、ラファエル!」 「あはは」  笑顔で楽しそうに笑い合う兄弟たちを横目に見ながら、私は幸せを感じていた。 転生して愛しい人に再会出来た喜びと、ここでの新たな人生。 前世では経験出来なかったことをたくさん経験していきたい。 長寿の国と呼ばれる、ロンジェヴィテ王国のガブリエル様とラファエル様、二人の王子様たちと一緒に!               完
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