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 アリシアはいつもの夢かと思った。  泉のほとりに金の髪の男性が倒れている。でも、手を伸ばすと消えてしまうのだ。 「……ん」  声さえも出せずにいると、そのアルラウネはゆっくりと瞼を開いた。  明るい緑の瞳がきらりと輝く。 「アリシア!」  何度も夢に見た笑顔に、アリシアは息を呑んだ。 「……エディ?」 「うん、僕だよ! やっと帰って来れた! この辺りの鳥達に最近は前のように静かになったって聞いてーー」 「エディ!!」  アリシアは身を起こしたアルラウネに思い切り抱き付いた。 「あ、ああアリシア!? いけないよ、だって僕達はまだ誓いの口付けも交わしていないんだし、ああでも君が望むなら僕はーー」 「……良かった」  アリシアが泣きながら笑う。 「また会えて、良かった」 「……うん」  しばらくして、そっとエディの腕があがる。ゆっくりと壊れやすい物を包み込むように薬師の少女をーーいや、女性を抱きしめて、エディは愛おしく微笑む。  雨は上がり、木漏れ日が二人の頭上に降り注いでいた。
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