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ラブリはお年頃
男勝りの私だって、お年頃だ。
彼氏のひとりやふたりほしいのは当たり前のことだろう。
だが子離れ出来ないオヤジはやたらと私の私生活まで干渉してきた。
いつまで経っても私のことを子供扱いだ。
もちろん結婚なんて許さない。
なのでオヤジに隠れてマッチングアプリに登録した。
そこで知り合った資産家のイケメンと意気投合しデートを重ねた。
彼はバッチリ私のタイプだ。
イケメンの上にセレブで、これ以上は言うことがない。
私は彼との約束を守るため隙きをついて、自宅を兼ねたジムを抜け出そうとした。
だがオヤジは気配に気づいたようだ。
「おい、ラブリ。どこへ行く気だ?」
不意に背後から声をかけてきた。
オヤジは、かつてプロレス界のプリンスとしてメジャー団体のトップに君臨していた。
しかし度重なるケガで団体を追われ、落ちぶれ果て今や潰れかけのインディーズ団体、ワイルドプロレスの社長だ。
「はァ、どこだって良いだろう」
私はオヤジを睨んだ。
こっちは年じゅう無休の反抗期だ。
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