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わたしの誕生日の次の日は、陸の誕生日。
毎年送ってくれる花束のお礼を伝える日。
今日は、救急車が数度しか来なかった。
ゼロになることは決してないのだろうけれど、救急で運ばれてくる人が少ないとホッとする。
救急は忙しくない方が絶対いい。
仕事が終わって、更衣室でスマホを見ると、陸からメッセージが届いていた。
陸からのメッセージは初めてのことだった。
アプリを立ち上げ、そのメッセージを読んだ時、それの意味することがわからなくて、そのまましばらくそのメッセージを見ていた。
<本命は私>
その一言と一緒に写真が送られてきていた。
明るいブラウンヘアの女性が、陸と寄り添って撮った写真。周りは加工してあって、どこで撮られた写真なのかはわからない。
文面から見て、陸から、というより写真の女性が陸のスマホからメッセージを送ったようだった。
でも、陸が彼女にスマホを渡したから、彼女は陸のスマホからメッセージを送って来れたことになる。
陸には今彼女がいるということ?
だったら、どうして昨日、花束を送ってきたんだろう?
どう考えたらいいのかわからない。
服を着替えてしまおうと、スマホをカバンに入れるつもりが、床に落としてしまった。
拾おうとしゃがんで手を伸ばした時、その手にぽつんと何かが落ちた。
それは、後から後から落ちてきて、止まらなくなってしまった。
目の前がぼやけて、何も見えなくなってしまった。
何これ……変なの……
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