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影
気がつけば28歳の誕生日。
今年ももうすぐ終わってしまう。
わたしが28ということは、明日陸は26歳になるということ。
12月12日は毎年仕事を休み、叔母の家で陸からの花束を受け取る。
夕方、ドアフォンの音が鳴って、急いで玄関に向かった。
配達の人の顔が見えないくらい大きな花束を受け取ってリビングに戻ると、テレビを見ていた光輝がこちらを向いた。
「売り子辞めてもう何年? まだ届くんだ」
「そうだね」
「なんか毎年花の量増えてない?」
「そうだね」
「ふんっ」
光輝はもう興味を失ったのか、テレビの続きを見始めた。
そんな態度を見せながらも、光輝も毎年仕事を休んでくれて、一緒にわたしの誕生日を祝ってくれる。
自分の誕生日は、「友達と飲みに行く」と言って、プレゼントを受け取ってくれるだけなのに。
いつものように叔母と光輝とケーキを食べてお酒を飲んで、明日が早番だったこともあって、早めに叔母の家を出て、自分のマンションに帰った。
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