2/2
前へ
/31ページ
次へ
高校3年生にもなれば周りは自然と恋愛を進んでいく。 私は今もこれからも学校内の男子と付き合うことは絶対にない。そもそも付き合えない。 私は、あの日から他の男のものになってはいけないと、どこかで支配されている気がする。 実際に「他に近づくな」とも言われたことはないのに。 ファーストキスが檸檬の味だなんて嘘。 そんな甘酸っぱくないことも知っている。 私のファーストキスは生温くて、唾液とは違う滑りがあった。 檸檬の味じゃなく、血の味だった。 私があの3人の輪に入っていたとして、ファーストキスが血の味だったと言って誰が信じるだろう。 あの人は私に何も言わずキスをした。 一度離したと思えばまた重ねてきた。 重ねるうちに舌が入ってきて、吸ったり吸われたり、血液と共に貪りあった。 キスが終わると口内一面に真っ赤な血液の味が広がっていた。
/31ページ

最初のコメントを投稿しよう!

2人が本棚に入れています
本棚に追加