君の血は甘い。

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「なぁ、紗綾、最近上の空じゃない？」
運転しながら隆也が私に話す。

「そんなことないよ。季節の変わり目だから自律神経が乱れてるのかも。」

「そうだよな、紗綾はそういう部分で敏感だもんな。生理前もそうだし」

確かに私は生理前になると起伏が激しくなる。
少しのことで苛立って隆也に当たったかと思えば、急に座り込んで泣き喚く。

「毎月ご迷惑おかけします」と軽く頭を下げる。

「いや、いいんだけどさ、何とも思わないから。むしろ始まるとずっと血が出てるんでしょ？腹痛もあるのに感情までコントロール出来なくなるのは本当辛いよな」

隆也はこういう女性的な部分を労ってくれるから本当に優しいと思う。

PMSがまともになる方法を調べたら、食生活とか睡眠とか当たり前のことばかり書いていて、最終的には低容量ピルを飲めば落ち着くらしいけど、薬に頼るのが好きじゃないからずっと現状のままだ。