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『光子さんの家じゃないかな?』 『え、お母さん、綾兄の姿見ていないの?』 『そんなの分からないわよ。光子さんの家に住んでるの?なんて、そこまで聞いてないわ。綾くんがどうしたの?』 『ううん、何となく気になっただけ。』 『そうなの。分かったわ』 やり取りを終えて、自分の順番を待つ。 綾兄が私の居場所を知っているはずがないし、さっきの人はすぐに立ち去ったけど、多分私と隆也を待たせたくないからすぐ退いてくれただけだ。 綾兄じゃない可能性を探している時点で、もう肯定するべきなのに、どうしても否定している自分がいる。 もしかしたらこの近くに住んでいるの?と分からないけど、そうなれば私はこの辺に来るたびに綾兄の影を探してしまうだろう。 数分後「お次のお客様、どうぞ〜」と甘い店員さんの声に呼ばれて、注文に辿り着いた。
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