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「|紗綾〜、起きないと遅刻するよ〜」
キッチンから隆也の声が聞こえてくる。
「ん〜」と横になったまま背伸びをして、スマートフォンに手を伸ばす。
画面をつけると、7時丁度。
毎朝起こしてもらい、隆也特製のホットサンドを齧りながらココアを飲む。
周りから見たら幸せ極まりない朝だろう。
「俺、紗綾の母親みたい」と笑いながら、目の前でホットサンドを食べる隆也を見ると、今日一日頑張れる気分になる。
隆也とは前に働いていた会社で知り合い、何だかんだで意気投合し、今は同棲している。
営業マンの隆也と営業事務の私。
隆也は新卒入社で私は中途入社だった。
同年代とは思えないほど、バリバリ働く隆也に魅了されて、何回か飲み会を重ねる内に意気投合し付き合うことになった。
事務という一日座ってる仕事に飽きて、私は途中で辞めた。
隆也からは引き止められることもなく、毎日会えなくなるの寂しいから、これを機に一緒に住もうと提案してくれた。
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