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お互いの名前に「綾」が付いていて、珍しいねと距離が縮むきっかけにもなった。
週に3回、3時間、綾兄に勉強を教えてもらって、間の休憩で少しずつお互いを打ち解けていった。
大学では経済学部に所属していること、卒業後はごくごく普通の会社員で生活するのが理想だと。
冒険心も向上心も無いんだなぁと思っていた。
彼女はいないのか聞いたけど、濁されて結局いるのかいないのかはっきりしないままだった。
高校2年生にあがる春休み、綾兄から突然連絡が来た。
今日は家庭教師の日じゃないのに、しかも近くの公園だなんてどうしたのかなと思いながら、夜8時に集まった。
10分前に着くと、綾兄は既に着いていて、公園内にぽつりと佇んでいる街灯の下に立っていた。
「綾兄、急にどうしたの?」と歩み寄ると、綾兄は顔を手で覆ってしまった。
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