Switch!〜僕と地獄の裁判官様の異世界冒険記〜

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少女の瞳を怯むことなく真っ直ぐに見つめ、気持ちを込め、彼女の心の奥底に――そこにある凍ってしまった部分に届く様にと祈りながら、僕はそう告げる。 正直、どう話したら良いのか……どんな言葉をかければ彼女の心に届くのか、悩んだこともあった。 容姿のせいでいじめられた過去を話そうと考えたこともある。 (でも、安易な同情は、きっと彼女も望んでいない筈なんだ……) そう悩んだ末、僕が辿り着いたのは――もしかしたら、「過去ではなく未来に対する言葉」なら彼女の心に届くのでは、という考えだった。 (あの子は散々苦しんだ。今は折れてしまっているけれど……本来は、その環境にも負けず、1人でここまで戦って来た強い心の持ち主なんだ) 少女の境遇を思い、そういう結論に達した僕。 正直、ここまで頑張って生き抜いて来た少女に、もっと頑張れというのは気が重い。 テレビや雑誌などでも「今まで頑張って来た人に「頑張れ」というのは逆効果だ」と言われているのを見たこともある。 それでも僕は、彼女に死んで欲しくは無かった。 自分の命を――彼女自身の人生を、ここで諦めて欲しくはなかったのだ。
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