王子様の秘密

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王子様の秘密

♢♢♢♢♢  ___むかしむかしあるところに、綺麗な街並を見下ろせる緑豊かで広大な森がありました。その森の奥深い山のてっぺんに、それはそれは立派で美しい大きなお城がありました。  そのお城には誰からも慕われる素晴らしい王様と、心優しいお后様と、とても立派でそれはそれは美しい二人の王子様がおりました。  一番目の王子様は、心穏やかで誰にでも分け隔てなく優しく少し気弱だけれどとても温厚な方でした。  二番目の王子様は、とても元気で負けず嫌いなところのある天真爛漫な王子様でした。  ひとつ違いの二人の王子様たちはその見た目がそっくりで、まるで双子のように見分けがつかないほどよく似ておりました。  性格が正反対な兄と弟の二人の王子様は子供の頃からとても仲がよく、毎日楽しく過ごしておりました。  将来跡継ぎになる兄の方には沢山のお付きのものが絶えず取り囲みいつもものものしい雰囲気で家臣たちをひき連れておりました。  そんな兄にとって、一緒に過ごす弟との時間が何よりも楽しく心休める大切な時間になっておりました。  その弟の少し目に余るやんちゃなところに手を焼くの以外は…  そんな弟には、なぜか産まれた時から専属の乳母が何をするにもついておりました。  兄と違ってお付きのものはこの乳母ただ一人。兄と違いひっそりと暮しておいででした。  この第二王子には第一王子の影武者としての大切な役目があり時には具合の悪い兄の身代わりとして入れ替わりながら、普段は身を隠しなりを潜めてお暮らしになられていたのです。  そんな第二王子の身の回りの支度などの一切をするこの乳母はこの第二王子のお世話を決して他の下女達にさせることはなく、たった一人で全てやっておりました。  このやんちゃな第二王子をおとなしく黙らせることが出来るのは、生まれてからずっとそばにいるこの何でもそつなくこなすお世話係の乳母のベラだけだったのです。  それに何よりも、この第二王子には、周りの下女達や王様の側近達にさえも決して知られてはならない、家族とこの乳母だけの…  秘密があったのでございます… ♢♢♢♢♢
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