かなちの冬眠せいかつ。

20240511

お父さん泣くんよな。ハハオヤのこと話すたび。
それでも忘れたくないのは。

私がまだ子供の頃、ハハオヤが言った。

知らない方がいいこともあるのよ。全部知ればいいってものじゃないの

あの頃、父親の帰りが毎日遅くて、多分それであのひとは父親のこと疑ってたんだと思う。
莫迦なオンナにもなることあるんだ、と感心したよ。

お父さん、いつも泣いてる。
昨日電話で話したときは、法廷に行っていたと言ってた。
動いてる方がラクなのかもしれない。

四十九日が過ぎてもう3ヶ月。
3ヶ月、私は心身共にオカシイままだ。
あのオンナの死をあれほど願ったのに、殺せなかったせい。
安らかに逝かせたせいだ。

偽善だらけで自分が気持ち悪い。
スライム以下の低能だ。
徹夜続きで食欲もなくてさ、もうこっちが事切れそうだよねえママン。

眠剤飲んでも眠れなくて、リスカの代わりにピアスをあけて。
ζは「かなちの耳、形よくて好きなのに」と嘆く。だって君がリスカするなって言うから、こうするしか方法わかんないんだよ。
でも手首がこれ以上醜くなるのもイヤ。

安定剤と抗うつ剤、まだまだ効かないからサイレース追加。

クスリ漬けなのに、知らない間に怪我してた。
アザと切り傷。
血が流れる。
全身の血液を入れ替えたいと願ったときもあったな。
細胞も全部、なくしたくて。
だけど別人にはなりたくない。
私はこんなんだけど、それでも自分のことが好きなんだ。
生き抜いてきた傷だらけでも
なのに誰もね、祝福くれない。
褒められたりもしない。
傷だらけだから。
フツウじゃないから。

フツウってなんだよ。
誰か世界標準普遍不滅のフツウをくれよ。
教えてくれるだけでいい。
コレがフツウだよ
って、その手に持ってる鈍色の玉を見せてみなよ。
指差して嗤ってやるから。