2024.06.02

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2024.06.02

早朝、ってより真夜中。 一応ζには「起こして」と言われているんだけど、起こして「眠い」って言われるとさ、それ以上起こせないよね。 今日は実家に行く日。一緒にごはん食べようってお父さん誘った。 寂しくてって泣くから。 ちょっと母親の話とかしてこようかなって。 私にも、さ。なにが正解かわかんないけどさ。忘れられないのは仕方なくて。さびしいのも仕方なくて。 あー。 アッシャー家そのものだったな、と、改めて思う。本当に、あのひとの城だったのだな、と。 統べるべきひとが消えてしまうと、こんなにもからっぽになるのかって。 空気がさ、天井無くなったとこみたいに、からっぽなの。空虚なの。薄まった。男塾でさ、オーラで大きく見えるとか描いてたけど、あれ、本当だよ。あのひとのオーラ、大きかったもん。だから、いるだけで家が華やかだった。 厄介なオンナに惚れたなって。お父さん、にね、思うよ。ずっと思う。アッシャー家にいた頃から思う。 私は、あまり泣かないのだけど。 中学まで泣きすぎて、そこで涙打ち止めになった。 弟妹は、「お姉ちゃん強い」って言う。 違うの。涙の在庫、もうないだけ。 代わりに血を流してること、彼らは知らない。 まだ、そんなんだって、あの子たちには言えないよ。だって、かわいいから。大丈夫だって言わなきゃ、ダメだから。 そりゃ、こんな真っピンクな髪したねーちゃんに言われても、ねえ。不安しかねえよ。となるかもだが。 私は私なりに、これでも真剣なんだ。 死なないように、必死なんだよ。 せめて父親がいる間は、生きてた方がいいよな、と。 ひどいな。ζ置いてったら、ヤバそうやんなあ。死なんよ。生きるって約束したから。 それでもさ、リスカすんなとか言われると死にたくなる。 未だに生き方が、わからない。 血を流すしか方法がない。 ピアスなんかの痛みじゃ、僅かすぎて何もわかんないよ。 ママンの莫迦。
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