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「星彦さん、貴方は本当に姫織様に恋心は無いのですね?
あの輝く星よりも美しい姫織様に」
精霊に言われ、星彦は黙って深く何度もうなづいた。
「星彦さんの経歴も調べました。天の川の闘いにも参加してない。
貴方なら籠の中に入れてもかまわないと、特別な許可が出ました。
ですが、ワタクシは槍を持って貴方を見張ります。
姫織様に何かしたら、ワタクシには殺す権利が与えられました」
正に命がけの依頼に星彦は別の意味で心が震えた。
断ろうかとも思ったが、複雑な配線の修理は自身にしかできない。
新しい器具ならともかく、姫織が幽閉されたのは10年前だ。
そのときでも、けっこう古びた型の籠だったのだ。
星彦の誠実な精神からして、自身にしかできないことはしたかった。
そして小さな家での質素な生活に満足していたが、新しい浮遊鏡が
欲しかった。
この仕事で得られる高額な金で叶えられる。
「姫織様には1ミリも興味はありません!」
星彦は言い切った。
こうして籠の修理の為に精霊に連れられて天の川へと連れて行かれた。
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