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地球人の観点から言えば星彦たちは異世界人だ。
地球から見える天の川の付近にあっても、地球人とは次元が違うので
互いの世界が見えていない。
異世界での天の川は川であり、地球から見える天の川は星。
それはどちらも同じ銀河でつながっている。
田岡は所有している空間転移マシーンで地球に出向いていた。
「地球にも様々な美人が存在するが、姫織様は格別だね。
それにしても実際に見れたとはうらやましい。どうだった?
ひと目惚れしたりとか?」
星彦は首を横に振ると、頭がフラフラした。
小瓶から錠剤を数個、取り出し、口に放り込んで噛み砕いてみる。
「槍を突き付けられていたのに、じっくり見れるわけないでしょ。
それに泣いていたし、かわいそうだとしか......」
「まあ、そうだねえ、幽閉までされるなんてね」
「せめて、ちゃんとご飯を食べてるといいなあ、
あの犬と遊んで気晴らししてて欲しいなあ。
あっ、先生、この薬、効きますね、ググッときた!」
装飾された窓枠を揺らしそうなほどに田岡が笑った。
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