星彦と姫織の出会い

6/13
前へ
/55ページ
次へ
地球人の観点から言えば星彦たちは異世界人だ。 地球から見える天の川の付近にあっても、地球人とは次元が違うので 互いの世界が見えていない。 異世界での天の川は川であり、地球から見える天の川は星。 それはどちらも同じ銀河でつながっている。 田岡は所有している空間転移マシーンで地球に出向いていた。 「地球にも様々な美人が存在するが、姫織様は格別だね。 それにしても実際に見れたとはうらやましい。どうだった? ひと目惚れしたりとか?」 星彦は首を横に振ると、頭がフラフラした。 小瓶から錠剤を数個、取り出し、口に放り込んで噛み砕いてみる。 「槍を突き付けられていたのに、じっくり見れるわけないでしょ。 それに泣いていたし、かわいそうだとしか......」 「まあ、そうだねえ、幽閉までされるなんてね」 「せめて、ちゃんとご飯を食べてるといいなあ、 あの犬と遊んで気晴らししてて欲しいなあ。 あっ、先生、この薬、効きますね、ググッときた!」 装飾された窓枠を揺らしそうなほどに田岡が笑った。
/55ページ

最初のコメントを投稿しよう!

0人が本棚に入れています
本棚に追加