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「ちょっと、六尾(ろくお)さん、闘いに負けたの?」
「おー、園、元気か?再婚できたか?隣国から縁談きてるか?」
「そんなの、ないわよ、それに私は」
「そうか、そうか、元気でな!」
六尾は腰に付けられているスイッチを押して消え去った。
瞬時に天の川へと戻れる転移装置だ。
「やれやれ、会話もできなかった......」
園の亭主は姫織に夢中になって天の川の闘いに出向いている。
一応、離婚はしているが、園は六尾を愛したままでいた。
「園さん、大丈夫ですか?身体より心が辛いですよね......。
元気だしてください、俺、どんな手伝いもしますから」
「星彦さん、ありがとう。あなたに惚れられる女性は幸せね」
「ははは、どうにも縁が遠い身です。
修理士と結婚させたい家なんて、なかなか無いですからね」
「私たちは星彦さんがいてくれるほうがいいわよ。
なにしろ若いのも中年も年寄りも、男たちは天の川で闘ってる。
子供と少年以外では星彦さんだけよ、こうしていてくれるのは」
「変わり者のほうなんでしょうけどねえ、
でも俺は、こっちでの、暮らしが丁度いいです」
星彦は色とりどりの住まいを、細い目を更に細くして見つめた。
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