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呪われた家
『呪われた家』
公開されているポスターが貼ってある。カナとハルナは見ている。
「この映画、カナどうなのかな? 怖いのかな?」
「どうかな? 私あまり興味ないんだよね」
「でも、面白そうじゃん。今度行こうよ」
「うーん……」
あまり乗り気じゃない。平常心を装うがこの手の映画をカナは苦手にしていた。しかし強引に誘われ、うんと渋々返事をした。今度の日曜日、お互い時間があるということでその日に観に行くことになった。
当日、待ち合わせ時間に若干遅れたハルナは白いワンピースの出で立ちで来た。カナは普段通りスキニーのジーンズにラフなシャツといつもどおりだ。
「少し、サイトで勉強してきた」
「へー。そんなに楽しみなんだ?」
あらすじを聞いていると良くあるお決まりの王道パターン。廃墟になった古ぼけた家に面白半分で忍び込んで──。それから恐ろしいことが始まるということだった。
時間ギリギリで間に合った。スクリーン4で上演される。二人は予約した席に座り開始を待った。
「でもさぁ、さっきの話、聞いてたらなんでそんな危ないところに行くんだろうね? 私だったら絶対行かないのに」
「怖いけど面白そうじゃん」
ハルナは少々興奮している。怖いもの見たさだ。
「そうかなぁ、私は絶対行かない。誘われても絶対ひとりで帰る」
「でも、ここに来てる人はみんな興味本位で行きたいって思う人が集まってると思うよ」
「ナイナイナイ!」
全力で否定するカナ。
ブザーが鳴り会場は暗くなった。予告が始まり本編が始まった。
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