第一章 空港での再会

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 けれど彼が私を誘うのは、あくまでも友達としてだと私は認識していた。だから夏休みが終わる直前にふたりで会った際に、彼から告白されたときは、驚きでしばらく現実が認識できなかった。 「俺のことが嫌いじゃないなら、首を縦に振ってほしい。付き合って絶対に後悔させないから」  戸惑いが大きくて、なかなか返事をしない私に、彼は必死に訴えかけてくる。  彼のことが好きか嫌いかと言われたら、もちろん好きで、でもそれが異性に対してなのかまではよくわからない。高校の頃に告白されて付き合ったもののすぐに上手くいかなくなった。私の恋愛経験なんてそんなものだ。  後悔させない、と言い切ってしまえるのが彼らしくて尊敬する。 「やっぱり進藤くんってすごいね」  ふっと笑みがこぼれて答えると、突然ぎゅっと抱きしめられる。 「それはつまり、OKってこと?」  至近距離で尋ねられ、私は小さく頷いた。 「うん。あの、私でよければ」  改めて問いかけられるとなんだか照れくさい。でも私の答えを聞いた途端、彼は安堵めいた表情になる。 「よかった。RHHの最終面接より緊張した」 「それは言い過ぎじゃないかな」  比べる対象が大きすぎて、つい口を挟む。すると彼はにこりと笑って額をこつんと重ねてきた。 「よろしく、可南子」  余裕たっぷりの笑みに一瞬で頬が熱くなり、言葉が出ないまま目だけで応えるのが精いっぱいだった。 ※ ※ ※
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