第一章 空港での再会

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 だって信じられるわけがない。綾人みたいな人が私を選ぶなんて。  ぼんやりと天井を視界に捉え、夢現に隣を向く。すぐそばには凌空の寝顔があり、反射的に私は身を起こした。枕元にあるスマホを確認すると午後十一時過ぎ。  それを見て両手で顔を覆い、大きく息を吐く。  空港の帰り、日が沈みかけたのをいいことに公園によって少しだけ遊んだ凌空は、機嫌を取り戻した分、体力もしっかり使った。  おかげで今日は横になるなりすっと夢の中に旅立った。そこまではよかったのだが、凌空を寝かしつけようとして私も一緒に寝てしまったらしい。  そっとベッドを抜け出し、リモコンを手に取ってエアコンの風を少しだけ弱くする。最近、疲れているのか、凌空と共に眠ってしまうことが多々ある。  もっと時間を上手く使わないと。家の用事や仕事など、凌空が眠っている間にしかできないことは山ほどある。  凌空とふたりの生活もすっかり慣れた。産前産後は実家で生活していたが、両親は日中仕事で忙しく、いつまでも甘えっぱなしなのもどうだろうかと思い実家を出る決意をした。  けれど今も両親にはなにかあれば頼らせてもらっているし、姉が実家近くに住んでいた頃は、妊娠中からずっと心配をかけてなにかと世話を焼いてもらっていた。  凌空の妊娠も出産も全部私のワガママなのにいつもたくさんの人に支えられている。
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