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6 第一関門
そうして、次の日、ギリギリに起きた私は慌てて用意して、第一関門があると言う皇帝陛下の間へ向かった。
そこには、35人の朱雀の姫候補が集められて居た。
そして、全員が揃ったところで皇帝陛下が玉座に座った。
「それでは、ただ今より、朱雀の姫選別の第一関門を行う!
説明は宰相の春蕾が言う。
春蕾。」
飛龍様が春蕾様に目線を向けると、春蕾様は一歩前に出た。
そして、第一関門の説明が始まった。
「朱雀の姫はその身体の右腕に朱雀を形取ったあざが現れる、と言います。
みなさんを朱雀の姫候補として集めたのは、朱雀のあざが右腕にあったから…
そうですね?
しかし、それは誠に朱雀の兆なのか?
あざと言っても、打ち身によるあざもあれば…
はたまた、朱雀の姫を偽った刺青かもしれません。
そこで、第一関門では、医師により、朱雀の兆か、単なる打ち身か、刺青か、を検査したいと思います。
朱雀の姫候補のみなさんは、腕を医師に見せるだけです。
簡単な試練とは思いますが、一方で、重要なのも間違いないかと…
では、始めます!」
そして、1人目の朱雀の姫候補の名前が呼ばれた。
震えながら前に出る1人目。
数分後…
「朱雀の兆かと思われます!」
医師が宣言した。
みんなから、歓声が上がる。
2人、3人と進んでいくと、4人目で、医師は言った。
「これは…
刺青でございます!」
その時、場の空気が変わった。
「その者を牢屋に連れて行け!」
飛龍様がおっしゃると何人かの兵士がその者を引きずって行った。
ざわつく朱雀の姫候補たち。
そして、私の番がやって来た。
い、い、刺青のはずは無いわ…
だって、そんなの入れた記憶がないもの…
どうか…!
数分後、医師は言った。
「朱雀の兆かと思われます!」
と。
ほっと胸を撫で下ろす私。
こうして、第一関門は無事に終わったのだった。
♦︎♦︎♦︎
「まぁ、小鈴様!
第一関門突破おめでとうございます!」
「えぇ。
ありがとう。
ねぇ、ところで、牢屋に連れて行かれた人が3人居たのよ。
あの姫達はどうなるのかしら?」
私は心配で尋ねた。
「あら、仕方ありませんわ。
刺青で陛下達を騙そうとしたんですもの。
処刑は確実という噂ですわ。」
明明は言った。
そ、そ、そんな!?
処刑ですって!?
酷いわ…!
いくら刺青で誤魔化そうとしたからって!
同じ朱雀の姫候補だ。
他人事とは思えなかった。
「小鈴様?
どうかなさいましたか?」
「いえ、何でも無いわ。」
そして、その日もご馳走を食べて、眠りについた。
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