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有羽がひとりでぐるぐる悩んでいるうちに修哉は有羽のあちこちにキスをした。
ーーーあ、そんなところ……。
有羽は恥ずかしさと今までに感じたことがない鋭い快感に固く目を閉じて身を捩る。
ーーーどうしよう。なんか……気持ち良すぎて……変な……。
有羽は身体の中心が焼けるように熱くなるのを感じ、自分の唇から溢れる甘く忙しない吐息が恥ずかしくて、口元に手を持っていくと人差し指を噛んだ。
「有羽、噛むならこっちにしろ」
すぐに修哉が気づいて長い指を有羽の唇に当てた。
ギタリストの大切な指を噛むなんて……。
戸惑っているうちに修哉のもう片方の指が有羽の中を掻き乱し、有羽は目がチカチカするほどの大きな快感の波に襲われる。
「……だめッ」
瞬間的に大きな声が出て驚いたのと同時に、有羽は自分の中の欲情を吐き出していた。
「……ああ……ッ!」
目の前が真っ白になって有羽はきつく目を閉じて身体を震わせた。
「有羽……声が……」
久しぶりに聞いた有羽の声に驚いた修哉がそう言って有羽を乱していた指を引き抜くと、細い身体が弓形に反った。
「……やッ……あ!……待っ……」
「有羽……」
宝石の瞳から涙を溢し、快感の余韻に震える有羽を愛しげに見つめ、修哉はその身体を強く抱きしめた。
「……しゅ……や……」
修哉の背中に腕を回して縋りつき、有羽は涙を零しながら繰り返した。
「……修哉……修哉っ……」
修哉は有羽の髪を優しく撫で、額にキスする。
「……全部……欲しい」
「うん」
「修哉の全部が……欲しい」
有羽が囁くと修哉は深い口づけとともにそれに応えた。
「全部おまえにやる。だから、おまえのすべてを俺にくれ」
唇を触れ合わせたままで修哉がそう言うと、有羽は何度も頷いた。
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