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声が出ないなんて絶望的だと思っていたけど、このタイミングで出るようになったらなったで……。
恥ずかしすぎて、困る。
修哉にどこを触られても漏れ出てしまう自分の喘ぎ声に有羽は赤面した。
本当にこれが自分の声なのかと疑いたくなるほど、ベッドの中の声がいやらしく、とめどなく、どうやっても抑えられない。
「……あ、あ……ンっ……うぅッ……」
唇に手の甲を押し付けても、歯を食いしばっても、断続的に溢れてしまう自分の声と吐息に、有羽は動揺した。
「……やだ……もう……恥ずかしいから……」
涙ながらに訴えても修哉はその手を止めてくれない。
「恥ずかしいことなんてない。おまえの声はすごく、可愛いよ」
有羽を翻弄する手は止めずに修哉は囁きとともに耳朶を甘噛みしてくる。
「……あ!……修……修哉……んんッ……」
有羽はきつく目を閉じて快感に震える。
これ以上、変な声を出したくないのに……。
エリカ!
修哉の暴走が止まらないよ!
ーーー有羽、修哉は相当我慢してきたんだと思うわよ。
あんたに好き好き言われて、キスや愛撫をせがまれて、修哉がまったく平気だっただなんて、そんなふうに思ったら可哀想よ。
昨日エリカから言われた言葉を思い出し、有羽は信じられない思いで修哉のデレを受け止め続けた。
修って……。
恋愛モードに入ったらこんななの⁈
「修哉……修……待って……」
今朝、朝陽のなかで修哉に抱かれ、そのあとシャワールームまで抱えて行かれて身体中くまなく洗われて有羽は恥ずかしさに卒倒しそうになった。
「修、いいよ!自分で出来るから……」
「でもおまえ、体がきついだろ」
有羽を見つめる眼差しも口調も優しげなのに、修哉は絶対に譲らず、自分の手で気が済むまで有羽の身体を洗い、ドライヤーをかけ、それが済むとベッドに戻り、苦しいくらい抱きしめてきた。
それから少し眠って、有羽はエリカに電話をし、起き出してきた修哉に捕まり、再びベッドに連れ戻されたのだった。
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