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「修……だめ。さっき、したばっかりだろ」
「わかってる。最後までは、しないから」
そう言いながら修哉はバスローブ姿の有羽を口づけと愛撫だけであっという間に乱した。
「修……待って……修哉……俺ばっかり……」
有羽が懇願すると修哉は手を止めて至近距離で見つめながら低く囁いた。
「……嫌か？」
熱く艶っぽい眼で訴えてくる修哉から目を逸らし、有羽は蚊の鳴くような声で呟く。
「……そんな目と声で言うの……狡いだろ」
「おまえが嫌だって言うなら、やめる」
有羽の手を取り、額を合わせながらそう呟く修哉が拗ねた子どものように見えて有羽は苦笑する。
「……嫌……ってことは、ないけど……」
「けど？」
「……恥ずかしいから。だってそんな……何度も……」
「普通だろ」
額にキスされながら有羽は目を見張る。
「普通、なのか？」
「みんなそうだろ」
「そ……そうなのか？」
「だいたい……おまえが可愛過ぎるから……」
ーーー俺のせい⁈
雄っぽい色香を漂わせながらそんなことを言う修哉に、有羽は再び目眩する。
ーーーエリカに、もっとちゃんと色々訊いとくべきだった。
有羽が困った顔をして俯くと修哉は後ろから有羽を抱きしめ、耳元に囁いた。
「……すまない。おまえを困らせたいわけじゃないんだが……」
長い指で有羽の髪を撫でながら修哉は小さな声で呟く。
「抑えられなくて……」
「修……ずっと、我慢しててくれたのか？」
抱きしめてくる腕に手を添えながら有羽が訊くと修哉は小さく笑った。
「……俺の方がずっと年上だし」
「……ごめん。俺、おまえの気持ち、全然分かってやれなくて……好き好き言って、キスとか、抱いてとか、せがんで困らせて……」
「……謝らなくていい。こうしておまえが戻って来てくれただけで」
「うん……約束破って、ごめんな」
修哉の腕の中で有羽は体の向きを変え、見つめ合う格好になると修哉の頬にそっと触れた。
「今度こそ絶対離れないから」
修哉は優しい眼差しで有羽を見つめながら黙って頷いた。
出会った日からずっと、有羽が大好きなその瞳に見つめられ、胸が熱くなる。
「好きだよ、修哉」
「有羽……」
有羽は両手で修哉の頬を包みながらそっと唇を重ねた。
「大好きだ」
口づけを解かずに有羽が囁くと、修哉は強い腕で有羽を抱き返すことでそれに応えた。
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