VI

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 サラサラの髪になった高梁は、コンタクトをして、サイズの合ったオーダースーツを着ている。 「なんでこんなところに。しかもそのカッコ」 「今は起業がうまくいって向かいの会社の社長でござる」 「えっ、あの高いビルの!?」 (矢上、ごめん)  矢上の言ったことは正しかったのだ。高梁はすごい。身長180cmで秀才のイケメンに間違いはないのだ。  思えばマチアプで会ったどんな人とも合わなかった私。今まで再会でこんなにもフランクに話してもらえたことはなかった。 (もしかしてワンチャン、ある!?)  私がモーションをかけようと決意したその瞬間、海外セレブばりの金髪外人美女がやってきた。 「hello!」 「これはハニーでござる」 (えぇぇぇぇ)  密着する2人に付け入る隙なんてない。何か英語でペラペラと話しかけられているけれど、TOEIC800点の矢上じゃないからわからない。 「そういえば最近矢上氏とはどうでござるか?」 「どうって?」 「連絡、取ってみても良いと思うでござるよ」
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