手紙 #07

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 佐々木さんの言動に不審な所が多すぎる。  1、娘が失踪して依頼してきたのに開示してくれた情報が写真一枚とあまりにも少なすぎる。  2、不登校で心配しているのにもかかわらず、澪さんの学年が直ぐにでてこない。  3、関係のない失踪事件で浮かび上がった澪さんについて詳しく聞いてきた。  佐々木さんの口調からまるで探している澪と失踪している澪という少女が同一人物のように重なって見え、私は美海さんの言葉を思い出す。  ”人さらい”と。  だが、まだ確実な確証はない。でも佐々木さんの情緒からしても何が起きてもおかしくない。心臓は勝手に早く鼓動が激しくなる。  とにかく一刻も早くこの武家屋敷から出て、赤にこの依頼を渡そうと、私は刺激を与えずに佐々木さんとの会話を終わらせその場から去ることを考えた。 「すみません。ただ上級生としか聞いてないです」 「……」  佐々木さんが静かに俯いたと同時に私はおもむろに立ち上がる。  タイミングなんて必要ない。  時間が経てば経つほどに、その場から動けなくなることは分かり切っていたから私は満面の笑みで佐々木さんにこういった。 「日も暮れてきたので、明日の捜索もありますので今日はこの辺で失礼します」 「あ」  佐々木さんがなにか言いたそうにしたが、それを振り払うようにして部屋を出ようとした時。  私の意識が途絶えた。
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