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どこかうれしそうに笑う佐々木さんに私はバカにするように笑い返す。
「勘が良いからって「はい。そうですか」なんて、頷いた人が今までいたんですか?私、貴女程度に命なんて差し出すほど献身的な聖女でもいなければバカでもありませんから」
「は?貴女程度だと!」
「だって弱い魔力のを持った子をさらって養分を取ろうとする魔術師にもなれなかった従属者になんか死んでも願い下げです」
「従属者?お前まさか……」
「貴女から見れば上位の存在ですよ。見習いですがね」
佐々木さんは一瞬顔をゆがめたが、見習いと聞くや否や腹を抱えて笑いだした。
「ふふ、ははは。人よけの結界も見破れない見習い程度に私に何が出来るの」
「結界?」
「この家に一般人が入り込めないように結界を張ったのよ。それに気づかないなんて入って来るなんて駆け出し見習いでしょ?空蘭」
「あ、あれか」
アンイコールの店先がカギを開けっ放しにし赤に注意をしたことを私は思い出した。
武家屋敷の結界原理も同じだろう。カギが閉まっているか屋敷の門が閉まっているかの違いだ。
「町中のあっちこっち小さすぎる魔力が多すぎて、煩わしいので普段から感知能力を切っているんですよ」
「は?」
「分かりやすく言うと、取るに足らない相手を気にしたくないってだけですよ」
「私を取るに足らない存在と言ったか!」
「分かりやすく伝えたつもりなのですが、やっぱり取るに足らない存在だけあって分かりませんでしたか?」
「コノヤロー!」
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