手紙 #08

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 私の目の前にいた佐々木さんだった女性がゆっくりと化物に変化し巨大化する。  体の中心から茶色い肉食獣のような生き物の顔が浮き上がり感情を表したかのように太い神経を這うように全身に広がった。 「それが本体ですか。ずっと女性になり切っていたなんて滑稽で笑えて来ますね」 「くっ……黙れ!」   感情をあらわにした化物は私に飛びかかってきた。  瞬きもする隙もなく一瞬にして私は抵抗もできずに首を捕まれた。 「あらら?あんなに饒舌に話していたのにあっけなく捕まるのね?何か策でもあってあそこまで煽ったのよね?」  化物の一言一言に私の首を絞める力が入る。  私はガムテープで固定されている手首を化物に押し返し剥がそうとするが、頑丈に絞められたガムテープが剥がれない。  何度も何度も押し返すが手首に隙間さえも生まれず、背中に力が入り汗が勝手に溢れ焦り正常な思考が出来ず無駄な動きが生まれて絡まり出す。  足をつけない状態で首を絞められ息が続かない。  新しい手はないかと思考を巡らせるけれど、化物の力は刻々とゆっくりと絞められる。  全身の力が抜け始め、腕を前にする事さえ出来ずに抗う事が出来ずに下ろす。  意識が遠のき始めて、生命の危機に直面した時。  私を掴んでいた化物の腕が音もなく爆破し飛び散り。私はその場に倒れ、化物は喚き散らしながら倒れ込みもがき苦しみだした。
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