嫁について

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嫁のみるくは、人の考えを読んだり、自分の言葉を脳に直で伝えられる能力を持っていた。が、一切できなくなったらしい。 住職に聞いたら理由はわからないとか? でも、悠星さんは知ってる? 「子供の能力は、今のところなさそう」 「あーそうすね」 この白和え。うまいな〜。まじ、腹減ってたからなんでもうめぇ。 「で、嫁も能力はない」 「そうみたいす」 はー、煮付けうまい。 「それで、今までどんなことができたか聞いた」 「はぁ、そうすか」 「親と、お前くらいにしか能力は使えなかったらしいな」 「…たぶん?」 「気が付かないうちに使っていた」 「…たしか」 「それは、人を使役する、服従させるような能力だ。お前、彼女の言いなりになったんじゃないか?」 「…は?」 俺の話? 「脳に助けてと言葉が聞こえて、お前は彼女を助けようとした。それで?なんで仲良くなる?」 「…え」 なんとなく… 「お前の考えてることは読まれてた。バカだし単純だし。お前は彼女の言葉をそのまま受け入れて、嫁にして、そのまま寺にやってきた。彼女は、居場所を探していた。そう言ってた。で、今はもう安全だから能力がなくなったと考えられる。あとは、若かったから使えたのかもしれない」 「つまり、俺は利用されたと?」
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