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「住職。病院で、症状とか見てもらうと気分上がりますか?」
「さあな。…わからない。彼女は、隙を見せないよう、いつも気を張ってるからね。病院に行くことも拒むかもしれない」
「…そうですか。そんな風には見えなかったんですけど」
「そう見えないように振る舞ってる。気を抜いて話を聞かなかったら、なんのことかわからなくなるからな。いつも集中している」
「疲れますよね」
「そうだ」
「俺に、なにかできます?」
「いつも通りにしておきなさい」
「はぁ」
「おい親父、見てもらえるとこあるって」
悠星さんはうんざり顔である。住職にこき使われてるからな。
「なるほど。やんわりと伝える機会を伺おう」
「で?とりあえずはどうする?今日のこと、起きて覚えてたらまた辛いだろう?気が滅入る」
「私の言霊で、少しの間は保ってもらおうか。病院については、早めに伝えたいところだが、休息が必要だ」
「言霊使えるんすか」
「私と彼女は信頼関係がある。それに、彼女は信じやすいからね」
適当すぎ。そんなんでいーの?
「じゃ、俺帰る」
「アメリカすか」
「そ。じゃあな」
いきなり悠星さん帰ってったよ。
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