見たくないもの

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「それ、って、夢路議員の…失踪した息子さんですか?」 母親は驚いているが、質問した。 「あー、違いますよ奥さん。あいつ、親から縁を切られて家を出されて、犯罪してサツに捕まって。失踪はしてないですよ」 「え、そんな…」 契約書の紙を母親に手渡された。 「違う、母さん、こいつら変なこと…」 「そもそもてめぇのせいだろが?」 「お、俺は知らな…」 「知らないだと?てめぇ、どこに逃げてた。お前のせいでこいつは、ヤクザの下で働かされてるぞ?」 「そんなやつ知らない!」 「お前のサインもあるしな、証拠の音声もあるぞ?」 音声…?スマホを取り出して、音声が流れた。 「俺でかい仕事するんですよ〜!確実に儲かる自信ある!この夢路と2人で!」 「これはお前の声だな。夢路って言ってるよな?」 「知らない!」 「やめないか!息子は知らないと言ってる」 「お父さん、これ息子さんのサインですよ?筆跡鑑定出しますー?」 「やめろ!家族は関係ない!」 「ならてめぇで借金返せや。利子もついて膨れ上がってるぞ?」 「俺じゃ…」 「夢路くんは、ほら見てみろ。客から酷いことされてるぞ?」 スマホを見せられてる。映像は…俺がまだキャバクラに入ったばかりの時のだ。
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