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知り合い
仕事が終わって徒歩で帰る。
ったく!移動費くれよ!住職は、みるく(嫁)に全部金渡して、俺には全然くれない。前と変わらないじゃんか〜
「おい。雪見」
車の中の人が呼びかけてきた。
「あれー、先輩じゃないすか」
「なにしてんだよ。ふらふらしやがって」
「いや、別にふらふらしてないすよ」
「お前仕事辞めてなにしてんだ」
「いやいや、仕事してますって!この格好ですよ?」
「いつもそんな格好だっただろ」
あー、そうかもー
作務衣を私服化してたしな。
「まぁ、そうすね」
「元気そうだな」
「まあまあすね。先輩仕事中すか」
「あ?お前に関係ないだろ」
「あーはいはい。では帰りますね〜」
は〜まだ歩かないとなわけか。車乗せてくれよ。
…ん?
先輩の車に乗り込んだ人、俺知ってる。
慌てて車に戻り、ドアを叩く。
「先輩!」
「…なんだよ」
めちゃ嫌そうな顔された。
「今車乗った人!俺知ってる」
「…は?」
「知り合いみたいす!」
「それで?」
「話したいんすよ」
「…は?」
「だって、ファンらしいんで」
「…意味わかんねぇ」
「俺がファンじゃないんすけど、話したら長いんすよね。アイ…」
「雪見、助手席乗れ」
「あ、はい」
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