拝み屋

知り合い

先輩はびっくりしてる。珍しい。

「もちろんすよ」

「それで…その逢坂さんと言う人、アイドルのピーチで間違いないですか？」

「あー、そこまでは覚えてないすけど。乳がでかいすね」

「おい。雪見」

「いやいや！先輩の彼女をそういう目で見てるわけじゃないすよ？」

「…え、知ってんのか？」

「やっぱり彼女なんすか」

「かまかけられちゃったね」

「…お前なぁ、適当に言ってるだけだろ」

「まぁ、いいじゃないすか。でー、先輩。隼人は元気すか」

「おい、関係ない話するなよ」

「いや今思い出した」

「…あの、もしかして、私たちが困ってることわかったんですか？」

「…困り事？なんすか」

先輩少し考えてから話しはじめた。

「外から、苦しそうな声がするけど、どこからかわからない」

「まじすか！」

「いや、それ、たぶん人だと思うけど、わかんねーって話で…」

「大丈夫すよ。わかんなくても。家行ってもいいすか？」

「は」

先輩は普段ほとんど表情ないが、彼女といるときは気が緩むようだ。心底嫌そうにしてる。

「霊じゃないかは、見ればわかるんで。それに先輩だから、依頼は無料でいいすよ？その代わり、車で楓さん迎えに行ってほしいす。あ、仕事のパートナーの家っす」

「…え、ど、どうする？知紗(ちさ)」

「わかりました。瞳(ひとみ)、お願いしよ」

「瞳？って先輩が？」

「うるせぇな」

「雅(みやび)じゃないんすか」

「そりゃ苗字だ」

「えー、むずいすわ」