解かれたホログラム

5/14
前へ
/252ページ
次へ
「いつも、子供を食べるときは、おもいっきり驚かせる。そうすることで、脳内にアドレナリンが放出し、肉に甘味が増して美味になるんだ」 「なんやて!? そんなえげつないことしよるんか! この大トカゲは!」  そう憤ったのは先程の宗教学者の小野寺だった。 「お前達だって、牛とか豚、フォアグラを食べてるだろ? それと、なにが変わらないんだ?」  フォアグラとは、カモやガチョウに大量の餌を与え、肝臓を肥大させてから料理した食材。しかし、このガヴァージュと呼ばれる、漏斗などを使って強制的に餌を流し込む方法は残酷であると、近年、動物愛護団体などから指摘されている。 「彼女らの種族は、合理的でもあり、短絡的でもあり、とっても残忍なの。戦争のときも、高齢者を最前列に出す種族よ。それに、障害者が生まれたら餌にするのよね?」 「ほぉ~、短絡的は余計だが、アガルタ人(アルザル人)よ、よく知ってるな…」  レプティリアンが感心する。 「フッ、このぐらいは有名な話。それに、このことは、ほとんどの他種族も知ってるわよ」 「それでは、博士、私にも質問をさせて欲しいのですが…?」  次にそう言ったのは、さきほどの人類済学者の宇杉だった。
/252ページ

最初のコメントを投稿しよう!

185人が本棚に入れています
本棚に追加