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「うわぁー、レプティリアンだ! 初めて生で見た!」
「マジかよ! そのままのトカゲ人間じゃないか!?」
森の中で珍獣を発見したかのように仰天したレイヤとシエラが声をあげる。そんな浮き立った彼女達を見てベサメムーチョが諌めに入る。
「これこれ、レイヤ姫、あっ、いや、レイヤさんとシエラさん、ちゃんと、おパンツを穿かないと穴風邪、引いちゃうわよ」
「だって、こんなの穿いたことないから、なんか気持ち悪そうで…」
「そうだよな」
「だからって…もう! 郷に入れば郷に従いなさい!」
「は~い」「わかったよ」
観念した2人は、レプティリアンから距離を取っていた夏川の元へ駆け寄り下着を受け取った。そして、あろうことか、その場で下着を着けだした。
だが、レイヤがパンツを穿こうと片足を上げた瞬間、勢いよく転んでしまう。
「あいたたた。この身体に慣れてないから、上手に動かせないわ」
「ハッハハ、その身体じゃなくても、いつも転んでるじゃないか」
下着を着けるため、しぶしぶジャージーを脱ぎ始めていたシエラが大きく笑った。
「もおぅ、本当に、殿方が大勢いるというのに、大事な部分を丸出しにして…」
羞恥心を持たないレイヤとシエラを嘆いたベサメムーチョがつぶやいた。
そして、どうにかパンツを穿き終えたレイヤがおもむろにレプティリアンに近づこうとする。しかしこの時、不思議なことに、レプティリアンに近づくにつれ、レイヤの身体が光りだす。
レイヤ姫は、5次元世界のアガルタ人の中では、最も光に近い存在だった。その上、亡くなった豊川マリアも普通の人間ではなかったようだ。
燦々と輝く太陽のように、レイヤが憑依したマリアの身体が徐々に輝きを増していく。
すると、光が強くなるほど影が濃くなるように、レプティリアンの身体に異変が生じだす。身体が黒く、くすみだしていたのだ。同時に苦しがるレプティリアンは、声を張り上げずにはいられなかった。
「く、来るな! それ以上、近づくな!」
防衛本能が働いたレプティリアンの顔から焦りが生じだす。
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