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「いいわ。レイヤさん、少し離れてあげて」
仕方ないと、レイヤが3メートルほど移動する。と、レプティリアンがゆっくりと話始めた。
「ふぅ~。時間というものは存在する。だが、我々からしたらそれは物だ」
「…と、申しますと…?」
誰もが理解できず頭の上に疑問符を浮かべている。それを察したベサメムーチョが口を挟んで説明を加える。
「ちょっと、あなた方では理解に苦しむと思うわ。レプティリアン達にとって時間は、売り買いできる物にもなるということ。だから、人間の寿命も取引き材料になるの」
「そういえば、そんな映画もありましたわよね」
真愛の嫁の静香が口を開いた。
「そう、彼らレプティリアンとドラコリアンは、人の魂を喰うと云われているの。もしもあなた方が、今、この世界で出世を願ったり恨みを晴らすようなことを頼めば叶えてくれる。でも、その後にはなにも残らないわ」
「何も残らない?」
「えぇ、肉も骨も魂もなにもかもよ」
「人の寿命も取引きされるということでしょうか?」
「そういうことになるわね」
「彼らは誰にでもそんなことができてしまうのですか?」
真愛が続けて質問をする。
「さあ、今度はトカゲ女ちゃん。あなたが答える番よ。ちゃんと皆にわかりやすいように教えてあげて」
「ああ、わかった。だが、その前に、私が彼らの疑問に答えたら後で解放してくれるんだろうな?」
「そうね…少なくともこの世界からは消さないでおいてあげる。でも少しでも変な真似をしたら、その限りには非ずですわよ」
「いいだろう。──肉体は喰えるが、誰でもの魂は喰える訳ではない。本人の承諾を得ないとダメだ。だから、我々は契りを結ぶ。黒魔術や悪魔崇拝の儀式、日本に伝わる藁人形に五寸釘を打つ『丑の刻参り』などで、我々と繋がり契約を結ぶことができる」
「悪魔の契約か! ほな、悪魔とは、こいつらのことやったんかいな!」
宗教学者の小野寺が思わず、関西弁で声を張り上げた。
「悪魔に魂を売る。人を呪わば穴二つ。そんな諺があるのは、そのせいよ。知らんけど…」
再び、ベサメムーチョが、わかりやすく且つ、無責任に言葉を添えた。
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