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三位一体
ベサメムーチョが学びの話を続ける。
「もっとも、量子学がもっともっと進めば、この宇宙の奇跡の力が科学的に解明されるわよ。──さあ、話がだいぶんと逸れちゃったけど、ここからはもう少し掘り下げていきましょうか? じゃあ、さっき言った対極性の話をするわね。
善と悪、愛と憎しみ、喜びと悲しみ、始まりと終わり、可能と不可能、上と下、右と左…。みなさんも知っているように、この他にも数えきれないくらい、宇宙には対極があるわよね。
最初に述べた善と悪の関係を叙情的にわかりやすく解けば、『善があるから悪が蔓延り、悪があるから善が浸透する』です。どちらか片方が無くなれば、どちらも存在価値を無くします。
ご存知のように、この大宇宙は対極の関係で成り立っています。陰と陽、光と闇、有と無、真実と偽りも、すべての対極は宇宙の理。
さて、ここで、その対極性の力の本質はというと、一言でいうなら、愛なのです。
宇宙は、始まりがあると同時に終わりがあります。また、終わりがあると同時に始まりがあります。つまり、宇宙は永遠に存在し続ける無限の力。宇宙自体に意思があり、永遠に存在したい。消滅したくない意思を明確に持っています。イエス・キリストが『建設は崩壊、崩壊は建設』と説いたように、この二極性こそが愛なのよ。
では、なぜ宇宙の本質が愛なのかと言うと、消滅するときに、自分を守ろうとする自己防衛本能の力が発動すると同時に宇宙の中にある天体やあらゆる生命も守りたいという強い意思が表れます。すなわち愛の力が働くからです。そしてまた、宇宙は無から有に転じます。
この目には見えない、有、無、愛の三位一体こそが、神の正体なのよ。あなた方の古代の祖先が言い表したように、神そのものが愛であり力なのです」
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