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身の危険を感じた俺は、咄嗟に隣の香澄の身体を床に押し倒し、その上に覆い被さった。
「ゴホッ!せ、千夜くん?こんな所で、こんな時に…」
下で何やら誤解している香澄には応えずに、俺は、手を翳しながら咳込んでいる山村と鈴木に向かって叫んだ。
「鈴木!山村!伏せろ!!」
と、倒れたままの香澄を庇うように、俺はうつ伏せになり頭を下げた。
次の瞬間、天井から耳をつんざく轟音と大地震のような地響き。
窓ガラスにはヒビが入り、割れて破片が室内にまで降り注ぐ。
爆発音が響き渡り、その衝撃で本当に隕石が衝突するかのような現象が起きた。
いや…この時点ではわかんなかったが、シンセイタウンに本当に隕石が衝突した。
天井が瓦礫になって俺の…俺達の身体にも容赦なくぶち当たる。
「千夜くんっ!!」
後頭部に瓦礫が激突し脳震盪を起こした俺。
香澄の悲鳴のような叫び声を耳にしたのを最後にどうなったのか解らねえまんま意識を暗転させられた。
「…くんっ!千夜くんっ!!」
どれくらいの時が経ったのだろう。
身体を揺さぶられ、必死になって俺を呼ぶ香澄の悲痛な叫びを耳にした俺は、薄っすらと目を開けた。
先ず視界に飛び込んできたのは、涙を流しながら俺を見詰める香澄の姿だった。
「…か…すみ…?」
俺は掠れて上手く声が出ねー。
全身を鈍い痛みがジンジンと走っていた。
「気が付いた?!」
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