襲いくる惨状

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今の放送で大体のことはわかった。 と、小川先生が鈴木に。 香澄は山村に肩を貸して戻ってくる。 山村の方は頭が下がっているところを見ると、未だに気を失っているようだが、鈴木は足を引き摺りながらも歩いて来た。 どうやら、意識は戻ったようだ。 「千夜くん!大丈夫ですか?」 「大丈夫に見えるか?身体中がイテーよ」 「僕の方は足を少し切っただけです。山村先輩は見たところ、腕に傷がありますね」 「諸橋さん。鈴木くんの手当を任せて良いかしら?山村くんは千夜くんの隣のベッドに寝かせて。千夜くんの怪我の具合を見てみましょう」 小川先生の指示の通りにする香澄。 小川先生は俺の枕元の洗面器を見て言った。 「頭を打ったのね…。病院でMRIを撮って脳の様子を見た方が良いけど…この惨状で、いつ救急車が来るか…」 それ以前に病院が無事かも、わかんねーな。 俺は小川先生にベッド脇のカーテンを閉められ、頭に包帯を巻かれた後、先ずは制服の上から全身を軽く押された。 「身体の方は、骨にまで異常は無いみたいだけど…ちょっと制服脱がすわね」 小川先生はひと言俺にそう断ると、怪我の手当をする為か、俺の制服と下に着ていた赤シャツ、そしてズボンも慣れた手つきで脱がせた。 パンツ一丁になるが、俺も女慣れしているし、小川先生も治療と割り切っているのか、お互いの間に羞恥心は無かった。 「滲みるでしょうけど、我慢してね」 小川先生はそう言うと出血している部分を順番に消毒して包帯を巻いていく。 そして、アザになっている部分には湿布を貼り、両足には添木を固定された。
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