襲いくる惨状

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山村がひとしきり泣き疲れて顔をゴシゴシ擦った頃には、校舎内はほとんどの連中が避難して物言わねー窓ガラスの破片が散らばっていた。 所々、細い煙が上がっている。 「…皆、心配しているだろう。一旦、保健室に戻るか」 「…うん。文化祭どころじゃないよね、もう…」 「それ何だが山村が気絶している間に放送が掛かったんだ。生き残っている連中は体育館に避難しているだろ」 「でも、食べ物とかは、どうするのー…?」 「集団生活する場には大抵、何百人かの人達の為に保存食が数日分置いてあります」 山村と2人、保健室に向かいながら話していたら突然、廊下の角から鈴木が姿を現した。 「うわっ?!ビックリしたー」 「鈴木、驚かすなよ」 「怪我人が増えてきたので小川先生に体育館に山村先輩と千夜くんと合流して向かうように言われて来たんですよ」 「香澄は?」 「奇跡的に無傷だったので小川先生のお手伝いをしています。後から来るでしょう」 保健室は、さながら戦場のようだろうな。 俺達野郎3人は先に体育館に行く事にした。 だが、体育館の中は…。 「あれー?こんなに人、少なかったっけー?」 山村が不思議に思うのも無理はねー。 あれだけ校舎内に溢れかえっていた連中は、数える程しかいなかったからだ。
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