襲いくる惨状

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「皆さん、混乱して市街地に流れ込んだのかもしれませんね。こうなった以上、次に怖いのは人災です」 「人災?」 「人々が慌てて街を走り抜け、車や自転車が混乱した状態で交通事故が発生します」 「でも炊き出しはー?」 「最悪、車道が壊滅していたら、暴動が起きる可能性も有ります」 人が混乱し、無意味に殺戮を繰り返す可能性もゼロじゃねーって事か。 「あんな実験してたからだ」 鈴木は、俺がそう言うと小声で言う。 「千夜くんは、今回の惨状には化学室での実験失敗が関係していると考えているのですか?」 俺は丁度、実験が失敗した時、外から隕石みてーなモンが降ってきたのを見たことを2人に話した。 「だとしたら、スペースガードセンターが救出に来るとは思いますが…」 「じゃあ、皆が死んだのは実験が失敗したせいなのー?!」 山村が怒ったような声を上げる。 「山村先輩。落ち着いてください。まだ、そのあたりのことは解りません。そもそも、あの実験は何をしようとしていたのかも不明です」 「だが、部員が皆、死んだ今となっちゃあ知る術がねー」 「いいえ、千夜くん。先ずは、その事を化学部の顧問の先生に訊いてみましょう」 鈴木の言う事も一理ある。 だが、化学部の顧問が正直に言うかどうか。 放送が掛かった時の声は化学の教師のだったから生きているとは思うが。
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