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被害は、街全体の方が激しかった。
ビジネスビルが建ってた場所には、デケークーデターが出来ていた。
どうやら、俺が見たのは本当に隕石だったようだ。
人々が驚きと恐怖に包まれる中、街中で窓ガラスが割れ、建物から煙と火が上がっている。
連中は慌てて街を走り抜け、車や自転車が混乱した状態で交通事故が発生していた。
中には食糧を巡って、あちこちで奪い合いが起きている。
そして、難を逃れた店も暴漢達が押し入り、商品を根こそぎ奪われていた。
「何だか怖いよう…」
あれだけ市街地に行こうって言っていた山村の腰が引けている。
「山村先輩。僕と一緒に先に体育館に戻っていますか?」
鈴木が優しく山村に言うが。
「ううんー。僕、保と一緒にいたいー」
「あのなあ、山村。遊びに来た訳じゃねーんだ。無理して着いて来なくても良い」
「えー、でもー」
「山村先輩?千夜くんは私だけの者だからね?」
香澄の声は優しげだったが、何か圧を感じたのは俺だけだろうか?
山村は途端に怯えた表情になると、首をブンブン横に振った。
「だ、大丈夫だよう!僕も着いてく!」
「なら、良いのですが…我慢出来なくなったら早めに言ってくださいね?」
4人で、そう言いながら裏通りに入る。
あちこちの家ではシャッターが降り、中の様子は伺い知れねー。
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