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心配そうな香澄を先に行かせて、俺は念の為、床板を元に戻してから、足を上げるようにして階段を降りて行った。
地下はだだっ広い空間と廊下に繋がっていた。
化学器具や壁に貼られた地学の資料らしいモンを除けば、まるで普通の一軒家みてーだ。
俺達4人は驚きを隠せなかった。
「驚いた?現役時代の報酬で親の店の地下を改造したんだ。完成するのに数年掛かったかな。奥には普通にトイレや台所もあるよ」
「どうして、わざわざこんな所を…?」
「マスメディアから離れて、ひっそりと研究を続けたかったんだ。化学の今川(いまがわ)先生は、元気かな?古い親友なんだ」
「それについてなんですが…」
鈴木が化学室の実験が失敗した事から隕石が衝突したんじゃねーかってこと。
そして今に至る経緯までを説明した。
「ここも凄く揺れたけどね。でも地震だったら今頃ここは潰れているだろうし、何があったのかと思っていたんだ」
博士は思案顔になると「でも本当に実験の失敗が隕石衝突の原因かは解らないな」と言った。
「博士。僕達はスペースガードセンターの救助が来るまで、再発を防ぐために原因を究明したい事と生き残った人達の手助けを考えています」
「博士ー、力を貸してー」
鈴木と山村の言葉に博士は真剣な表情になる。
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