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高校に戻って来た。
体育館前を通り過ぎた時、小川先生が血相を変えて、俺達に詰め寄った。
「あなた達!一体どこへ行っていたの!?危ないでしょう!」
そういや小川先生には何も告げずに街へ出ちまったんだったな。
と、博士が一歩前に進み出た。
「済みません。オレが無理矢理、連れ出したんです。街の様子が気になったものですから」
「…貴方は?」
小川先生は怪訝な目を博士に向けた。
「文化祭に来ていた、化学の今川先生の古い親友です。…今川先生は?」
「今川なら体育館の中で避難者の支援に当たっています」
「済みませんが、呼んできて頂けないでしょうかね?」
「それは構いませんけど…」
「お願いします」
小川先生はまだ釈然としていない様子だったが、博士の低姿勢に渋々、中に入って行った。
少しして今川先生が出て来た。
博士を見て、驚いた顔をする。
「松田じゃないか!」
「今川、久しぶりー。…あ、この子達のお陰でここまで来れたから叱らないであげてね」
今川先生は俺達を見て、安心したような表情になる。
「良かった…。4人共、無事だったのか。…松田お前がここに来たって事は…」
「お察しの通り、隕石衝突と化学部の実験の関係を突き止めたくてね。話を聞きたいから、この子達と化学室まで来てくれないか?」
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