14人が本棚に入れています
本棚に追加
/40ページ
それからしばらくして。
俺達4人と博士は今川先生の引率の元、化学室に来ていた。
いや、正確には化学室だった場所と言うべきか。
俺達は亡くなった連中の為にも、2度と同じ事が起きねーように必ず原因を突き止めようと心に誓った。
「化学室の中に在るものは、全部回収してくれ」
博士が指示を出す。
俺達は実験が行われていた前の方を中心に探す事にした。
瓦礫を掻き分けていくと。
「キャーッ!!」
化学部員の残骸に香澄が悲鳴を上げる。
気の所為か顔色も悪い。
無理もねー、女が目の当たりにするには刺激が強すぎる。
「香澄、怖いなら一旦体育館に戻っているか?」
「で、でも、私だけ調査から抜けるなんて…」
香澄は気丈にもそう言うが、よく見ると全身が小刻みに震えている。
「香澄、無理するな。俺達も物品を回収したら直ぐにソッチに行くからよ」
「千夜くんの言う通りです。それに諸橋さんは、保健室で怪我人の手当てを頑張ってくれていたじゃありませんか」
「そうだよう。困った時はお互い様だよう」
「何だったら俺が体育館まで引率しよう。松田、ここは頼んだぞ」
「任せてくれ」
鈴木と山村、そして今川先生にまで言われて、香澄はフラフラと出入り口に向かった。
「じゃあ、千夜くん達、悪いけど先に体育館に行っているわね…」
最初のコメントを投稿しよう!